イギリスのコメディ最高傑作「フォルティ・タワーズ 」とは?

イギリスの伝説のコメディ フォルティタワーズ洋画・海外ドラマ

誰かに「おすすめイギリスのコメディは?」と聞かれたら、私は迷わず「Fawlty Towers(フォルティ・タワーズ)と答えます。

「フォルティ・タワーズ 」は、1975年にBBC2で放映されて以来世界中の人に愛されている今や”伝説のシチュエーション・コメディ”。

今月発表されたRadio Timesによる100名以上のイギリスのコメディアン、脚本家らによる投票でもイギリスのコメディ(シットコム)の第一位に輝きました。

観る人を裏切らないコメディの最高傑作シリーズ!!!

というわけで、10年以上DVDが擦り切れるほど見ている大好きな「フォルティ・タワーズ 」について、以下にまとめてみました。

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イギリスのコメディ「フォルティ・タワーズ (Fawlty Towers)」とは?

イギリスのコメディ「フォルティ・タワーズ」
擦り切れるまで観てるDVD Box

作品

1975年と1979年にイギリス公共放送BBC2で放送されたシチュエーション・コメディ(シットコム)です。

イギリス南西部の海辺の町にあるフォルティ・タワーズ というホテルで繰り広げられるドタバタ劇で、1話は30分、2シリーズの計12話。

2000年の100 Greatest British Television Programmes投票では1位に、
2019年4月にはRadio Times の100名以上のイギリスのコメディアン、脚本家、役者らによる投票ではイギリスのシットコムのNo.1 に輝いていて

ユニークさとその質の高さから40年経った今でも絶大な人気を誇る作品なのです!

脚本・演出

脚本・演出
ジョン・クリーズと当時のアメリカ人の奥さんコニー・ブースの2人。(もともと夫婦でしたがシリーズ2に入る前に離婚しています)

低予算
番組的にはかなりの低予算で制作されました。ジョンとコニーは30分の1話を書き上げるのにそれぞれ6週間を費やし、ジョンが受け取った報酬は43週間で£6,000(現レートで約86万円)と言われています。

放映当初はあまり人気がなかったものの、放送が続くにつれ人気が高まりファンが急増し

第2シリーズでは高視聴率をあげる人気番組となる。

背景

ジョン・クリーズは、モンティ・パイソン「Monty Python」*1のメンバーとロケのためにイギリス南西部の海辺の町トーキー(Torquay) Gleneagles*2 というホテルに宿泊していて

そのホテルのオーナーが今までに会ったこともないあまりにも横暴、無礼極まりない男だったそう。

ジョンはその客嫌いのオーナーとその性格に興味を持ち、1人このホテルに滞在し続けました。

当時モンティ・パイソンに飽きていたジョンは、この体験をもとにコニー・ブースとともに脚本を書くことを思い付きました。

撮影

秒単位で綿密に構成されたストーリー展開のため、役者はセリフの1つ1つや間の取り方など正確さを求められました。

役者は本番前にはほぼ完璧に演じることが出来たので、実際の撮影はそれほど時間がかからなかったとのこと。

当時のイギリスは多発するストライキのため撮影日が伸びることがよくあり、役者は十分に準備できたことも幸いしたらしいです。

狭いセット内を35ミリのカメラ3、4台で切り返しながら撮影、

よく観てみると背景に人の影やマイクが映っているシーンも気が付きます。

日本での放映

日本では1979年、東京12チャンネル(現テレビ東京)『Mr. チョンボ危機乱発』というセンスのない邦題で放映されたらしい。

「フォルティ・タワーズ」の主なキャスト

バジル(ジョン・クリーズ John Cleese)
フォルティ・タワーズのオーナー兼マネージャー。恐妻家でとにかく妻のシビルを恐れている。人間嫌い、悲観主義、スノッブで常に上流階級に対して強い憧れを持つ。伝統や体面を重んじる一方で客にも横暴な態度を取る。

英語が喋れないウエイター、マニュエルに対し暴力を振るう。 ”He is from Barcelona” 「彼はバルセロナ出身だから 」や、”It’d be easier to teach a monkey” 「猿を教え込んだ方が簡単よ」といったシビルのセリフがある。*3

実際にはマニュエル役の俳優はドイツ出身だったのに、番組の中であまりにスペイン人を馬鹿にしていると怒ったスペイン大使館がBBCに抗議をしたと、イギリス人の友達から聞きました。*4

シビル (プルネラ・スケイルズ Prunella Scales)
バジルの妻。夫とは対照的に、効率的であらゆる問題に落ち着いて対応できる。一方で、皆忙しく働いている時にフロントでタバコを吸いながら友人と電話で長話をするなどいい加減な部分も持ち合わせている。

バジルの性格を知り尽くしており夫をうまく操縦する。いつもゴージャスなヘアスタイルだがカツラを使用している。

ポリー (コニー・ブース Connie Booth)
ウェイトレスだがそれ以外に部屋係、レセプションなどいろいろな仕事をさせられている。機転がきくので大事なところでバジルのピンチを救う。アートの学生なのか、たまに自分の描いた絵を客に売りつけようとする。

演技力が素晴らしい。

マニュエル (アンドリュー・サックスAndrew Sachs)
バルセロナから来たウェイター(実際には彼はベルリン生まれのユダヤ人)。バジルからは、英語が分からないため怒られたり、八つ当たりされたり、時に暴力を受けることもあるが、人がよく一生懸命に自分の仕事をこなす。スペイン語のQue? とSiを多く発する。

これが当たり役となり一躍有名となる。

テリー (ブライアン・ホール Brian Hall)
コックニー訛りのシェフ。第2シリーズから登場する。仕事ぶりはやや適当。

メージャー少佐 (バラード・バークリー Ballard Berkeley)
長期滞在している老人。元軍人のためメージャーと呼ばれている。ドイツ人と聞くと人が変わり時々銃を持ち出してくる。お歳のため少しボケている。

Basil Gives Manuel a Language Lesson | Fawlty Towers | BBC Comedy Greats

マニュエルに英語を教えるバジル
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「フォルティ・タワーズ」全エピソード

第1シリーズ 1975年
第1話: A Touch of Class (上流への憧れ)
上流の客を望むバジルのホテルにある日、貴族を名乗る男性が宿泊することになった。大喜びしたバジルはその貴族の客に媚びへつらう。が、その男は実は詐欺師だった。
第2話: The Builders (職人)
シビルは、ホテルのロビーの壁をある職人に修理してもらうようにバジルに頼んでいた。が、彼が頼んだのは知り合いのダメな内装工のオライリーだった。ポリーに留守を任せバジルはシビルと旅行に出るのだが。。帰宅したシビルの怒りのシーンが見もの。
第3話: The Wedding Party (結婚式)
若いカップル(ポリーの友人)が結婚式を挙げる予定でホテルに宿泊することになった。男女関係については非常に保守的で対面を気にするバジルは、婚前の2人が部屋で変なことになっては困ると警戒する。バジルの勘違いで。。
第4話: The Hotel Inspector (ホテル調査員)
シビルからホテル調査員がトーキーに滞在していると知ったバジルは、自分のホテルに既に客として滞在しているのではないかと思い込み、それらしき客に対する態度を一変させる。後に本物の調査員が来た時には。。
第5話: The Gourmet Night (グルメの夕べ)
シビルは有名人を招いた豪華な”グルメの夕べ”を計画し、腕のいいギリシア人の料理人カートを雇う。同性愛の彼はマニュエルを気に入るが失恋し飲みつぶれてしまう。。
第6話: The Germans (ドイツ人)
シビルが爪の手術のため入院中、バジルも怪我で入院することになる。バジルは何とか病院から抜け出したが、ドイツ人たちが宿泊している。モンティ・パイソンの中の有名なSilly Walk (バカ歩き)やナチスのまねのネタを披露する。マニュエル役のアンドリューは撮影中に火傷を負う。
第2シリーズ 1979年
第1話: Communication Problem (リチャーズ夫人)
難聴で高慢なクレーマー客のリチャーズ夫人やってきた。彼女のお金が紛失したという騒ぎが起こるが。。
第2話: The Psychiatrist (精神科医)
宿泊する若い男性が若い女性をホテルの部屋に連れ込んだと確信したバジルは何とかその証拠を掴もうをする。。ここでもシビルの怒りが見もの。
第3話: Waldorf Salad (ウォルドルフ・サラダ)
アメリカ人の夫婦が夜遅くホテルに泊まりに来た。レストランは閉まった後でシェフも帰宅してしまう。空腹の彼らのためにバジルが自ら料理をするが。。
第4話: The Kipper and the Corpse (ニシンと死体)
宿泊客がホテルの部屋で急死する。ホテルが出した朝食のニシンが原因と思い込み必死に証拠を隠そうとするバジルだが、そこへドクターが入ってくる。。
第5話: The Anniversary (結婚記念日)
この日はバジルとシビルの結婚記念日。バジルはシビルの前では記念日を忘れたフリをしていたが、実際にはシビルに内緒で友人を招くパーティを計画していた。大切な記念日を忘れる夫に愛想を尽かしたシビルは家を出てしまい、そこへ友人が集まってくる。シビルの女心とバジルへの気持ちが現われている。
第6話: Basil the Rat (ネズミのバジル)
ホテルの衛星度をチェックするため衛生局から人がやって来た。検査人から不衛生ぶりを指摘され、すぐに改善しないと営業停止にすると警告を受ける。みんなでホテルを清掃している中で、マニュエルがペットに飼っていたねずみが脱走してします。

「フォルティ・タワーズ」出演者の詳細

ジョン・クリーズ John Cleese
1939年10月27日生まれ (現在80歳) 。イギリスを代表するコメディアン、俳優、脚本家でモンティ・パイソンのメンバー。194cmの長身。ケンブリッジ大学 Dawning カレッジ卒。大学時代に後のモンティ・パイソンのメンバーとなるグレアム・チャップマンと出会い、他の4人と共にコメディー・グループ『モンティ・パイソン』を結成する。2018年にはカリブ海の小さな島Nevins に移住する計画を発表している。
プルネラ・スケイルズ Prunella Scales
1932622日生まれ(現86歳)。 イギリスの女優。シビル役はもともと他の女優を予定していたが、オファーされた女優が断ったためこの役が回ってきた。数年前よりアルツハイマーで闘病中。
コニー・ブースConnie Booth
1944131日生まれ(現75歳) アメリカの女優。作家。ジョン・クリーズの最初の妻で彼と共にFawlty Towersの脚本を書いた。コニー役は彼女の代表作。
アンドリュー・サックス Andrew Sachs
193047日生まれ (86歳没)。ドイツ出身のイギリスの俳優。Fawlty Towerのマニュエル役で一躍人気俳優となる。マニュエル役では名場面を多く残し、The Germans (ドイツ人)の撮影中に火傷を追った。ソープオペラ 「コロネーション・ストリート」などにも出演あり。20161123日に死去。

一度観て欲しい

以上、長々と書きましたが、面白さは実際に観れば分かるので、とにかく知らない人は一度観て欲しい

個人的には The Kipper and the Corpse (ニシンと死体)、The Psychiatrist (精神科医)、Basil the Rat (ネズミのバジル)が好きです。

Youtubeで検索すると沢山出てきます。ただ字幕が出ないものがほとんどなので、日本語、英語、音声のみの3パターンで観たい場合は、NetofrixやHuluなどで探して下さいね。もしくはDVDを購入。

中学時代から観ている娘はほぼセリフ暗記しているくらい好きです。

ゲラゲラ笑いながら英語の勉強ができこと間違いなしです。

イギリス英語を学んでいる人、これからイギリスに留学する人も必見ですね!
 

注釈

*1) Monty Python (公式サイト
BBCで放映されたイギリスの代表的なコメディグループ。メンバーの1名のアメリカ人を除き4名が全員オックスブリッジ出身のインテリ。ネタは王室からナチス、障害者などのタブー、過激なものが多く検閲もかなりされていた。


*2) トーキー
デヴォン州のトーキー湾(Torbay)に面する保有地。アガサ・クリステxーの出生地。Gleneagles は実在したホテル(現在は立て替えられている)


*3) 劇の中でのマニュエルに対するいじめの問題は、論文でも取り上げられたほどだった。

*4) He is from Barcelona
バルセロナ出身者を馬鹿にしたこのセリフについて、ジョンは後にこう語っている。「イギリスでは多くの労働者がホテル内で働いていたがそのほとんどが英語を理解せず問題が多かった。ホテル側もきちんとした英語教育をしないことが問題でそれを伝えたかった」